株式投資で資産1億円

短期~中期の株式投資で資産1億円達成までの道のりを記録するブログです

IFRS16号適用小売企業空売り投資法

今回は会計論点を組み合わせた投資法の話です。

 

先に結論を書いてしまうと、

・IFRS(国際財務報告基準)適用企業

・多店舗展開をしている小売企業

・利益に対する減損損失の割合が大きい企業

は、来期の業績が悪化する可能性が高い

 → 来期業績予想発表 or 1Q決算 or 年度決算

   のいずれかのタイミングで表面化して株価下落する

   → 事前に空売りをして利益を出す投資法です。

 

対象は、

▼影響度大

- コロワイド (7616)

- ユニー・ファミリーマートホールディングス (8028)

 

▼影響度中

- すかいらーくホールディングス (3197)

- トリドールホールディングス (3397)

- スシローグローバルホールディングス (3563)

の5銘柄です。

 

今まで空売りには手を出していませんでしたが、勉強がてら挑戦してみようと思います。

少しでも利益が出ればいいなと考えています。

※このロジックの欠点

1.そもそもの私の計算や算定根拠が誤っている可能性がある

2.監査法人との協議により何か理屈付けをして減損回避する可能性がある

のでオススメはできません。。

 

以下は会計の話になるので興味のある方は読んでみてください。

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IFRS(国際財務報告基準)適用企業は、2019年1月1日以降開始の会計年度からIFRS16号(リース)が適用されます。

 

これが何なのかを簡単に説明すると、今までB/Sへ計上していなかったリース契約が強制的にオンバランスされるようになります。

 

借方に使用権資産、貸方にリース債務が計上され、資産と負債が両膨らみになります。

 

これにより、

・資産の増加 → ROA(Return On Asset:総資産利益率)の低下

・負債の増加 → 自己資本比率の低下

などの影響があります。

 

ネットの記事を見るとB/Sや指標に対するインパクトは書かれていても、P/Lに対するインパクトはあまり書かれていません。

※正確には、利息計算により若干費用が前倒しされたり、利息費用分が金融費用になるため営業利益が若干良くなるということは書かれています。

 

ただ、実際にはIFRS16号を適用するとP/Lが悪化すると私は考えています。

 

論点となるのは、固定資産として計上される使用権資産が減損の対象となる点です。

 

減損は、「将来生み出すキャッシュフローの現在価値」と「固定資産の簿価」を比較して、「固定資産の簿価」が大きい場合に、「将来生み出すキャッシュフローの現在価値」に合わせるように簿価を切り下げます。

 

例)簿価2,000万円、毎年100万円のキャッシュフローを15年間生み出す場合

2,000万円 > 1,500万円(100万円 × 15年) → 簿価を500万円切り下げる

※本来は1,500万円に対して時の経過による割引計算がされます。

 

使用権資産分の固定資産が増加したとしても、使用権資産の費用処理は減価償却費としてされてキャッシュアウトがないため、その分将来のキャッシュフローが増えて、減損の計算上影響がないように思えます。

  例)元々の固定資産簿価 2,000万円

    将来キャッシュフローの現在価値 1,500万円

    使用権資産 2,000万円 の場合

 

    4,000万円(2,000万円+2,000万円) > 3,500万円(1,500万円+2,000万円)

    → 上記と同様に簿価を500万円切り下げる

 

ただ、実際には減損の金額が大きくなります。

理由は2つあります。

 

1.使用権資産の割引計算は主に追加借入利子率でされるのに対して、

  将来キャッシュフローの割引計算はWACC(加重平均資本コスト)でされます。

  一般的にWACCの方が大きいため、使用権資産よりも将来キャッシュフロー

  の現在価値の方が小さくなります。

  感覚的に追加借入利子率0.5%、WACC5%ぐらいです。

  上記で10年で計算をすると、将来キャッシュフローの方が20%小さくなります。

 

2.将来キャッシュフローがマイナスの場合、そのマイナス分が即座に使用権資産

  の減損となります。

  例)元々の固定資産簿価 2,000万円

    将来キャッシュフローの現在価値 -1,000万円

    使用権資産 2,000万円 の場合

 

    使用権資産がない場合は、元々の固定資産簿価2,000万円が、

    0円まで切り下げられて2,000万円の減損が計上されます。

    

    使用権資産がある場合は、

    簿価と将来キャッシュフローが2,000万円ずつ増加することにより、

    4,000万円(2,000万円+2,000万円) > 1,000万円(-1,000万円+2,000万円)

    となり、3,000万円の減損が計上されます。

    

    今まで切り下げられなかった赤字分の減損が実現してしまいます。

 

以上により、IFRS16号が適用されると、使用権資産に対して追加の減損が計上される可能性が高いことがわかります。

 

IFRS適用会社の中でもこの影響を大きく受けるのが他店舗展開をしている小売業と考えています。

理由は2つあります。

 

1.賃貸借契約もIFRS16号の対象となり、オンバランスされる金額が大きい

  ※1店舗あたり数千万円はいくと考えています

  例)月40万円×12ヶ月×10年=4,800万円(割引計算前)

 

2.減損判定単位が一般的に店舗ごとであるため、減損の対象となりやすい

 

IFRS適用の多店舗展開している小売業について、IFRS16号適用による追加減損の試算をしてまとめました。

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IFRS16号適用による追加減損の試算

※この他に以下も調査しましたが影響額が小さかったため除外しました。

ファーストリテイリング (9983)
キュービーネットホールディングス (6571)
パルコ (8251)
J.フロントリテイリング (3086)
コンヴァノ (6574)
コメダホールディングス (3543)

  

特にコロワイドは売上高利益率が低く、減損金額が大きいため、この影響により赤字になる可能性もあるのではと考えています。

この結果を元に空売りに挑戦してみようと思います。 

今後も今回のように会計論点を組み合わせて投資法を考えていきます。

いつか勝率が高い理論を考案できるようになりたいです。

 

▼追記1

よくよく考えると、固定資産を計上して即座に減損損失を計上、というのはないのかもしれません。
適用時の期首B/Sは減損損失考慮後の簿価で計上されて、資産と負債の差額は利益剰余金で調整がされるのかもしれません。
例)
使用権資産 4,000万円 / リース債務 5,000万円
利益剰余金 1,000万円 /

そうなると、P/Lを通らずに簿価を切り下げることができて、今後の減価償却費負担が減ることになるため、逆にプラスに働くことになります。

 

▼追記2

追加で計上することになるリース債務は有利子負債にカウントされるため、

有利子負債増加 → 証券会社の格付け低下 → 株価低下

の流れはもしかするとあるかもしれません。

 

▼追記3

日経新聞に影響を受ける主な企業の記事があったので参考に載せます(有料会員限定)。

RIZAPは赤字転落してしまったので今回の調査の対象外としていましたが、記事の中の影響を受ける主な企業に載っています。

IFRS16号適用により追い打ちをかける可能性もあるためホルダーの方は要注意です。

www.nikkei.com